私たち東京パソコンアカデミーでは職業訓練を行っています。
そこでパソコンスキルの他、就職活動に向ける時間を担当する中で私がテーマにしているのが 「笑顔の就職活動」です。
あなたはご自身の志望動機を堂々と説得力を持って伝えることができますか?
書類添削や面接対策の授業、就職面談でも「どうしよう・・・」のお声をよく耳にします。
今回は応募書類の作成や面接対策で必ず必要になる「中途採用の志望動機」について、 日頃からお伝えしている事を中心に触れてみます。
目次
志望動機は、応募する企業に入社意欲を伝え、入社後の活躍イメージを持ってもらうためのもの。
そして採用担当者はここから
「自社のどこに、何に魅力を感じたのか」
「なぜ、そこに魅力を感じたのか」
「なぜ他の会社ではなく、この会社を希望するのか?」
「どうして、この仕事を希望するのか?」
・・・・・・・・・・・・といった理由を知りたいと思っています。
これらを知ることで、「入社後どのように活躍したいのか」
「応募者の人柄や入社意欲の高さ」
「募集した求人・自社とのマッチング度や相性」などを確認しています。
このように人柄や経歴・スキルだけでなく、志望動機も重視するのは「長く活躍してくれる人材」を求めているからでもあります。
経歴やスキルが十分だったとしても、志望動機で熱意や説得力を感じられなければ、採用には遠くなってしまいます。
やはり志望動機はとても重要だと言えます。
【書けない理由:その1】 自己理解ができていない、または不足しているから。
まず準備として、自分を知らなければ始まりません。
「書けていない」という、その内容も人それぞれです。
文章に出来ないとか、あっさりと薄くなっているとか、文字数は多くても志望動機が一つも入っていないとか。
このように内容・状態は様々でも、応募書類に志望動機が書けていない時は直接お聞きしてみます。
「こちらに応募しようと思った本当の理由は何ですか?」と。
そして、どんどん深めて行けるように質問を重ねます。
「それは、どうしてでしょう?」「なぜでしょう?」を繰り返し、一緒に深く深く掘っていくのです。
そうすると本当は心の内に存在している思いが見えてきて、語れるようになる方も多いのです。
そう、志望動機が「無いわけでは無い」のです。
志望動機が思い浮かばないときは、ご自身でも この「なぜ、どうして?」を意識してみると糸口が見つかるかもしれません。
それから、キレイにまとめようとしたり、ビジネス向けの文言で表現しようとしたり、 そういった心境が「書けなくしている」方にもよく出会います。
これでは心にあるものを書き表すには、ハードルが高くなってしまいます。
色々と質問を重ねて、考えていることを私に聴かせてくださった後
「今お話しくださったことを書きましょう!」
「まとめるのは、その後で一緒に考えましょう!」とお伝えしています。
ご自身が一人で取り組む場合も、試してみていただきたい方法です。
そして大切なのは、最初から「志望動機」が語られずとも、見つけられなくても 「まずは良し!」とすることかもしれません。
掘り下げていく中に「本当の志望動機」が見えてくるかもしれないからです。
例えば・・・
どうしてコチラに応募しようと思ったのか?本当の理由は?と自問して
「ちょうど良かったから」という答えが最初に思い浮かんだとします。
→何が、どこが調度良いと思ったのかな?
→それはどうして?等と、どんどん掘り下げて自分への質問を続けます。
就職面談で私が質問した場合、
調度良い・・・それは待遇面や通勤に関することや、環境が含まれることも多いです。
もちろん仕事内容を挙げる方も。
これらは志望動機というより「ここ、イイな・・・」と思える企業を見つけた「きっかけポイント」です。
でも、そのようなお答えも「まずは良し」として更に 「それらはご自身にとって、どうして調度良いと思えたのか。」と掘り下げ続けるのです。
自問する場合も同じです。
なぜなら、その先に企業宛てに述べるべき「本当の志望動機」が見えてくる可能性もあるからです。
現在の自分が何を求めているのか、何を大事にして転職先を探しているのかを知る 大事な「自己理解」に繋がっていく例にもたくさん出会いました。
どんな答えが浮かんでも「まずは良し!」これが今の私だと受け止めてみる。
それは大事な「自己理解」に続く入り口なのですから。
職業訓練のカリキュラムでは、多くの内容がここに繋がっているな・・・と感じます。
訓練生の皆さんにとって大事な時間だと受け止めて、セルフワークやグループディスカッションを設けています。
何を見つめるのか、ほんの一部ですが主なものをピックアップしておきます。
このような事だけでなく、これまでの職歴についてしっかりと棚卸をすることも大事な自己理解です。
これらの取り組みに便利なツールのひとつに、職業訓練でも使用しているジョブカードがあります。
これを使って自分のすべてを書き出しておくと、職務経歴書を書くときにも便利です。
自分に嘘はつけません。カッコいい答えを無理に探しても、ハードルを上げるだけ。
ますます書き出せなくなりそうです。
そこから見つめ直してみませんか?
【書けない理由:その2】 研究不足
【書けない理由:その1】に記した準備の次は、いよいよ志望動機を見つけるために研究です!
研究なんていうと難しく聞こえてしまいますね。
これについて、いつも職業訓練でお伝えしているのは「お気に入りポイントを見つけましょう!」
「見つかるまで、応募先について 調べて調べて、調べ尽くしましょう!」ということです。
求人票、ホームページ、そのホームページに貼られている全てのリンク先、店舗、製品、商品、広告などなど。
それから、ホームページに「新卒採用について」など新卒者向けのページがあれば読んでみるのもお勧めです。
なぜかというと、このページは社会人経験がない新卒者向けに、丁寧に分かりやすく記載している企業も多いからです。
ご自身が中途採用に応募しようとする際にも、きっと理解が深まります。
調べ尽くす中、発見したお気に入りポイントをしっかりピックアップし、書き出します。
例えば、「やっぱり ここ、イイなー!」「こういう所、大好きだなー」
「調べてみたらスゴイ会社だ!」
「素晴らしい人たちが働いている所なんだ!」などの発見を、そのまま流してしまっては勿体ないです!
そのポイントについて、更に深く調べて知っていくと、志望動機として述べるに相応しいものが見つかりやすいからです。
これらを意識して 2.志望動機、どうして書けない? 【書けない理由:その2】 を行ってみてください。
準備段階の自己理解で見つめた自分自身と、調べて調べて調べ尽くして見つけた応募先のお気に入りポイント。
その接点はどうでしょうか。何か繋がるものは見つけられませんか?
前職の退職理由や、今後ご自身が仕事を通じて叶えたいことは何だったでしょうか。
お気に入りポイントを深めた、その中で働く自分の姿を思い浮かべていただきたいなと思います。
「だから、この会社に惹かれる!」とか「だから、この会社じゃなくちゃ!」という思いこそ、
あなたの志望動機の軸として見つける(気付くべき)ポイントだと思います。
ここがズレていると説得力がなくなります。
「だから応募してきたんだね!」と、採用側が納得する志望動機の軸を見つけられると嬉しいですね!
「どうしよう・・・」と思い悩んだり立ち止まったり、動けない気分になることは、誰にでもあります。
そしてそれは、「どうにかしたい!」「どうにかしよう!」と もがいている姿でもあると思うのです。
「どうしよう・・・」という その根っこには「ポジティブの種」が宿っています。
だから大丈夫です。
中途採用は、これまで何らかのお仕事を経験された方が、そのお仕事を離れて次を求めているという事。
自己都合の退職では、皆様それぞれライフイベントなどをきっかけに働く条件や求めるものが変わったり、
離職を考えるきっかけとなった不満足なポイントがあったりする事も多いです。
けれど、これらは決してネガティブな要素ばかりではないと、私は考えます。
なぜなら「次の仕事をどうしようかな・・・」という気持ち自体が既に、ポジティブだからです!
次を考えるとは、前を向いている という事。
退職する時、すでに「次はコレを叶えたい!次はそういう所がイイ!」という思いはありませんでしたか?
この思い、ポジティブなつぶやきだと私は感じるのです。
あなたの、このポジティブなつぶやきを叶えてくれる、そう信じられる「次の場所」。 そこに説得力を持って「どうして そう考えるのか」を伝えていく志望動機を
準備できますように。
ここまで出来たら応募書類に書くためや、面接で答えるための準備に進むことができます。
今回は、志望動機の「書き方」や「述べ方」以前に「どうしよう・・・」と前に進めないケースに向けて記してみました。
皆さまにとって、「笑顔の就職活動」に近付けるヒントになると嬉しいです。
最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。
この記事の著者 : 加島保世
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