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経済産業省も推奨している「リスキリング」。よく耳にするようになりましたね。簡単に言うと「学び直し」。働き方が変化する中で生まれてくる新しい業務などに対応できるよう、役立つスキルや知識を身につけていくことが必要です。
この記事では、今話題の「リスキリング」についてご紹介していきます。
直訳すると「学び直す」=「re-skilling」。職業能力の再教育や再開発を行うこと取り組みのことを指します。
産業のDX化に伴ってビジネスの環境が大きく変わり自動化され始めています。そんな風に社会や会社が大きく変化する中では今までと同じ知識、経験だけでは足りない、付いていけないということも起きてくるでしょう。そこでこれまで存在しなかった仕事やものごとに対処できる人材の育成が企業に求められています。
今持っている能力を高めるスキルアップとは違い、全く別のスキルや今後必要となる仕事上のスキルを身につけるリスキリングが注目されているのです。
自己啓発やスキルアップを目的とした従来の「リカレント教育」や個人の関心に基づいてさまざまな事柄を学んでいく一般的な「学び直し」とは異なるとされています。
リカレント教育は基本的には離職が前提です。一時的に職を離れて大学などでスキルや知識を学習することを指します。「働く→学ぶ→働く→学ぶ」というサイクルを回すリカレント(循環する)教育とは違い、リスキリングは現在の職場で働きながら必要なスキルを学習していきます。
① DX(デジタルトランスフォーメーション)の本格化
いわゆるDXの推進が各業界で進んできています。デジタルの導入によって事業活動の仕組み自体が変わり作業の仕組みそのものが大きく変わっていくと思われます。デジタル技術を活用できる人材、その価値を作り出せる人材が必要なのです。
デジタル人材の育成の側面が大きく取沙汰されますが、実際には全ての働く人に関係します。DXが浸透すれば仕組みそのものが変化するため、今IT、デジタルと縁のないところで働いているあなたにもこれから関係してくるようになり、従業員に求められるスキルも変化してくるでしょう。またDXに限らず、その時々、その時代に合わせた新しい能力を再開発し続けることが求められています。
② コロナ禍による変化
新型コロナウイルス流行の影響により、働き方が変化しています。テレワークを推進する企業も多いですし、オンラインでの会議、オンラインでの営業など対面での活動が減りました。この機会にデジタル化が一気に進んだ企業も多いでしょう。
時代の変化スピードは上がっています。激変の時代を行く抜くためにも新しい習慣や環境に適応できるスキルを身につける必要がありそうです。次世代に対応できる人材になりたいですね。
③ 人手不足
日本は少子高齢化の一途をたどっています。2022年現在、生産年齢人口(15〜64歳)の割合は全人口の59.4%で、統計開始の1950年以来、もっとも低い数値となっています。(総務省統計)人手不足もあってDXはますます進展すると思われますし、一人の人に求められる生産性の向上も注目されています。
④ 平均寿命の伸長
人生100年時代。年金受給を先送りにすることで受給額をUPする制度変更などもあり、労働年数も長くなっています。定年後に再雇用で働くのか、起業をするのか、違う土地に移住してゆったり過ごすのか・・多くの選択肢がある中で、どれにしても常に時代に合わせて自分のキャリアを拓いていくことが求められています。そもそも今のスキルのままで再雇用してもらえるのか、起業ができるのかというところも問題です。ベテランの中高年社員はベテランだからこそ持つスキルと経験にプラスして、リスキリングによって新しい分野の技能・スキルが加わったら、新しい事業を創造できるかもしれませんね。
① 自身の職業能力UP
リスキリングを通して「学ぶ→現場でいかす」のサイクルを身につけていくので知識やスキル、技術がより深く定着します。新しい知識を得ることによって元々持っていたスキルを深めることに繋げることもできるでしょう。結果、社内のみならず、会社外でも通用するスキルや能力を身につけることができます。
② 新しいアイディアが生まれる
従業員が新しい知識やスキルを学習することによって、今まででは考えられないような発想が生まれてきます。今の事業がより良くなったり、新しい事業が生まれたりするかもしれません。
③ 業務効率のUP
一人の人が持つスキルの幅が広がるため、別の業務でも活躍できる人材が増え、連携も取りやすくなりそうです。結果的に会社全体の業務効率も高くなるでしょう。働き方にもさらに変化が出てくるかもしれません。
④ 評価のUP
これからデジタル技術がどんどん導入されてくると人間に代わってロボットを業務を任せるようになると言われています。その中で例えばAIの仕組みを設計するなど、人間にしか行えないスキルを身につけていると価値を生み出しやすくなります。また、デジタル技術を活用できる人、技術を駆使することのできる人は企業にとって貴重な戦力です。評価が高まり、給与のUPや昇進にも結びつくかもしれません。
⑤ 高賃金の職への就・転職
長い職業人生の中でより働きやすい職場を求めて転職を考える場合もあるでしょうし、突然の離職ということも起こりかねません。その際、新しい知識・スキルを付けることによって異業種への転職が叶ったり、就職がしやすくなったりします。また、一つの分野に特化するだけでなくプラスアルファのスキルがあれば差別化にもなり、より高賃金のところへ就職、転職できる可能性が生まれてきます。
① DX、AI、ITのスキル
国としてデジタル人材の育成をし、増やそうとしていますので、DX、AI、ITのスキルはポイントです。技術者を目指さない方でも、導入された時に困らないようにITリテラシーを学習しておくことも良いでしょう。例えば簡単なパソコンの操作やアプリケーションの操作もITリテラシーです。またプログラミングスキルを習得するとロジカルシンキングが身につき、課題解決の際にいかせるでしょう。
② データ分析スキル
データを作成するだけではなく、作成したデータから統計を取り分析するスキルです。長年の勘といった経験に基づく曖昧なものではなく、事実に基づいて戦略が立てられるようになるでしょう。
③ マーケティングスキル
どうやったら商品が売れるか、どうやったら知ってもらえるか、顧客はどんなことを思っているのかわかってくるので、効率的に収益を伸ばすことに繋がります。特にSNS、インターネットを利用したデジタルマーケティングは重要です。
④ 英語
グローバル化に伴い、英語の重要性は高まっています。今後社内に外国人が増えていくかもしれませんし、海外との取り引きにも役立ちそうです。社内の共通言語を英語にしている会社もありますね。海外とのやり取りが賃金の高い海外勤務も叶うかもしれません。
⑤ その他
自社には一体何が役立ちそうか、自身の業務に何が役立ちそうか考え続けることで見つかるものもありそうです。興味のあるものでないとやる気も出ないと思うので、興味のあるものから取り組んでみるというのもいいかもしれません。
特定の分野に詳しくなっておけば、新規事業立ち上げの際に声がかかるなんてこともあるかもしれませんね。
今話題の「リスキリング」が何なのか?わかってきましたでしょうか?
今のお仕事は問題なくできているかもしれませんが、時代の変化スピードは思っている以上に速いです。DXにより会社もどんどん変化していくでしょう。会社のお荷物になるのも嫌だし、急な離職ももしかしたらあるかもしれない。社会の変化に着いていく、変化を先取りする、そんな風に自身を向上できたら、きっと色々な場面で必要とされる人材になれそうですね。
東京パソコンアカデミーでは事務作業に必須のパソコン操作を学ぶことができます。リスキリングの一つとして一歩を踏み出しませんか?
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この記事の著者:中島真由美
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