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最近、テレビのCMなどでよく見かける「Chromebook」。年末に向けて各メーカーから冬モデルの発売が始まりました。「薄くて軽そうだから買ってみようかな？」な～んて思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、しばしお待ちを。独自のOSを搭載しているので、今までのパソコンの感覚で使えるかというとそうではありません。この記事では「Chromebookについて」「Windowsパソコンとの違いについて」をご紹介していきます。
Chromebook（クロームブック）は、Googleの「Chrome OS」を搭載したノートパソコンです。
（OS：オペレーティング・システム(Operating System)」の略で、パソコンを操作したり、アプリを使ったりするための土台となる「基本ソフトウェア」のことを言います）
「Chrome OS」というGoogle独自のOSで動いており、シンプルな操作と軽快な動作が魅力です。ネット検索はもちろん、メールや文書作成といった事務作業もブラウザ上で行うことを目的に開発されおり、従来のノートパソコンにはない特長を沢山持っています。
①起動、動作が早い
Chromebookの最大の魅力は「スピード」。起動、動作の速さにあります。
電源をオンしてからログイン画面になるまでの時間が約10秒と早く、アプリの立ち上げや Googleクラウド上のファイルの読込も従来のパソコンより断然高速です。OSの更新にかかる時間も非常に短時間で済みます。バックグラウンドで自動的に行われているため、作業の時間を邪魔しません。
②データはすべてクラウド上で保存
Chromebookは基本的にほとんどの作業を「ブラウザ」で実行する仕組みになっています。
端末には情報が残らず、ドキュメントやメールのデータなど、すべてクラウド側に保存されるようになっています。
データは主に「Googleドライブ」というクラウドストレージサービスで管理しており、データも自動的にすべてクラウドに保存される仕組みとなっています。ローカルディスクや外部ストレージのUSB Driveなどにも保存することももちろんできますが、メインとしてはクラウドストレージとなります。データを直接パソコン内に保存しないことで、データの破損や紛失を防ぐことができます。
また故障時、買い替え時の環境移行が大変楽チンです。前述したように、データがすべてクラウドに保存されていますので、同じアカウントであれば、どの端末を使っても同じデスクトップ環境にアクセスが可能です。ですので、本体が万が一壊れたとしても、新しく買ってきてログインすれば、すぐに元のデスクトップ環境にアクセスできます。
③Android アプリが利用できる
Chromebookでは、「Android アプリ」の利用が可能です。
（※一部対象外のChromebookもあります。）
Google Play ストアでインストール可能な約100万のアプリがスマホと同じように利用可能ですので、お仕事や趣味などに使えるアプリが簡単に手に入ります。近頃はスマホでしか使えないアプリもありますが、そういった場合、従来のパソコンならあきらめるしかありませんが、Chromebookなら対応可能な場合もあります。またChromebookならAndroidスマホと同じアカウントが使えますので、GmailやGoogleフォトなど、スマホで使っているGoogleアカウント環境をそのまま使えるのも嬉しいですね。
④セキュリティ対策は不要
Chrome OSの動作は「サンドボックス」と呼ばれる仮設環境で行われるので、ウイルス対策が不要です。
たとえ感染したページを開いてしまっても、そのタブとシステムは通常の環境から切り離されているので感染するリスクはなく、脅威は封じ込められます。他の仮想環境であるタブ、アプリ、その他の要素に影響が生じないようなセキュリティ対策が取られているというわけです。
⑤リーズナブルな価格
「Windows OS」や「Mac OS」を搭載した従来のパソコンよりもリーズナブルな価格で販売されているのが特長の１つです。WindowsやMacのノートパソコンの半額くらいといったところでしょうか？
良い点は安価なChromebookでも動作が早いということです。とても嬉しいですね。
他にも
・オフラインでも使える
・他のパソコンを遠隔操作できる（「Chrome リモートデスクトップ」）
・アプリの操作をキーボードやマウスで行える
・音声で操作できる
・子供の利用状況を保護者が管理できる（「保護者向け Googleファミリーリンク」）
などの沢山の特長があります。
「１．Chrombookってなに？」ではChrombookについての特長をお伝えしましたが、次に皆様が多く使われている「Windowsパソコン」との違いをお伝えします。
①作業スペースの考え方
ChromebookがWindowsと一番異なるのが作業するスペースの概念です。
Chromebookは作業を「ブラウザ上」で行いますので、データも自動的にクラウドに保存される仕組みとなっています。Windowsでも作業したファイルなどはクラウドに自動保存されるようになってきましたが、あくまでもローカルがメインで、編集したファイルは「Document」などに保存されます。
②パソコン向けソフトのインストールが出来ない
前述したようにChromebookはデータがすべてクラウド保存される仕組みなので、使用者はパソコン用ソフトウェアを自由にインストール出来ないようになっています。Chromebookはブラウザ上での操作を前提として作られているため、ソフトをインストールするのには向いていません。その替わりGoogleのWebサービスやストレージサービスや、「Android アプリ」を効率よく利用することができます。
③Officeを使いたい場合
ビジネスで定番なマイクロソフトのOffice（Word、ExcelやPowerPointなど）は「Chromebook版」というのは用意されていません。
使いたい場合は、「Googleドキュメント」、「Googleスプレッドシート」、「Googleスライド」で代用する方法があります。Word＝Googleドキュメント、Excel＝スプレッドシート、Power Point＝スライドで編集が可能です。
最近の企業では「Googleドキュメント」、「Googleスプレッドシート」、「Googleスライド」で作業をしているところも多いので、そういった方はお仕事でも支障なく使えると思います。
また、マイクロソフトが用意している「ブラウザ版（＝Office Online）」を利用する、という方法があります。
しかしご注意いただきたいのは、これらはWindows版よりも「機能が制限されている」ということです。
VBA、マクロなどは使えませんので、ご注意ください。
④OSのアップデートが速い！
しばしばパソコン作業の手を止めなければならないのが「OSのアップデート」です。しかし、前述したようにChromebookならアップデーは短時間で済み、作業の手を止めることはありません。
Windowsと同じくOSのアップデートは毎月ありますが、かかる時間は毎回1〜2分ほど。更新ファイルのダウンロードやインストールもバックグラウンドでされるので、作業の邪魔にならないというわけです。またアップデート後のトラブルが少ないのもまた魅力の1つです。
ここまで色々とお話してきましたが、Chromebookはどのような方におすすめなのでしょうか？
ChromebookはWindowsとは仕組みが違うので万人向けのパソコンとはいえませんね。
とはいえ、ブラウザ上の作業ならChromebookのほうが、より快適で安心安全に作業ができるといえます。
Web閲覧や、メールのやりとりが中心の方や、普段からGoogleのサービスを利用している方にはChromebookはとても良いと思います。
また、お子様用にセキュリティが安全なパソコンがほしいという方にもおすすめです。
逆にExcel等マクロ、VBAを使うなどのOfficeの機能を使い込んでいる方や、MOS資格のお勉強をしている方、MOS模擬試験をご自分のマシンで行いたい方、パソコン用ソフトを使いたい方にはおすすめできません。
Chromebookは従来のノートパソコンとは違った構造になっており、スマートフォンやタブレットのように気軽に使える、高機能で新しいタイプのコンピュータです。
文部科学省の提唱する「GIGAスクール構想」では学校で児童や生徒1人1台の端末が提供されていますが、
Chromebookがその端末として採用されるケースが多くあります。
シンプル操作、高いセキュリティ、動作が速い、価格もリーズナブルですので、持ち運び用端末として挑戦してみるのも良いかと思います。
この記事の著者：矢澤 美和
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