Excel

リスト項目の更新もラクに!ドロップダウンリストの自動化テクニック

目次


    1. テーブルに変換
    2. 名前の定義
    3. データの入力規則の設定
    4. 商品コードの追加
    5. 押さえておきたい注意点
    6. まとめ

 

日々の業務でExcelを使っていると、同じようなデータを何度も入力する場面に直面することが多くあります。商品コード、商品名、商品カテゴリ、単価など、定型的な入力が多いほど、手入力によるミスや表記ゆれが発生しやすくなります。そんなときに便利なのが「ドロップダウンリスト」機能です。

しかし、従来のドロップダウンリストはリストの項目の変更・追加するたびに、「データの入力規則」の設定からその範囲を手動で再設定する必要があり、少々手間がかかってしまいます。そこで注目したのがドロップダウンリストの自動化です。

今回は、以下のように作成したリスト『商品一覧』に新しい項目が追加されたとき、自動でドロップダウンリストに追加されるように設定をしてみましょう。

1.テーブルに変換

作成したリストをテーブルに変換します。
「テーブル」は、データの追加や並べ替え、フィルターが簡単にできるうえに、範囲も自動で調整される便利な機能です。

①「リスト『商品一覧』の表内をクリックします。(表内であればどこでも大丈夫)

②「挿入」タブ→「テーブル」グループ→「テーブル」をクリック。
※ショートカットキーは「Ctrl」+「T」になりますので、テーブルに変換する機会が多い場合、覚えておくと効率化が図れます。

③「テーブルの作成」ダイアログボックスが表示されます。

④テーブルに変換するデータ範囲に間違いがなければ、(今回は【$B$4:$D$11】になります。)『先頭行をテーブルの見出しとして使用する』に☑チェックが入っていることを確認し、『OK』をします。

 

⑤テーブルに変換されました。

これで、項目を増やすと自動的にテーブルが拡張されて調整されるようになりました。

 

2.名前の定義

つづいて名前の定義を使用してリスト範囲を指定します。

「名前の定義」とは、セル範囲や数式にわかりやすい名前を付けて管理するExcelの機能です。たとえば「B5:B11」に「商品コード」という名前を付ければ、数式やドロップダウンリストでその名前を使って簡単に参照できます。データの管理や再利用がしやすくなり、作業の効率化に役立ちます。

 

①名前を付けたいセル範囲となる商品コードのフィールド【B5:B11】の範囲を選択。

②Excel画面左上の「名前ボックス」の中をクリックします。

③「商品コード」(任意の名前)を入力して Enter キーを押します。
(管理しやすい分かりやすい名前を入力します)
※スペースは使えませんので、代わりに「_(アンダースコア)」を使います。

④選択した範囲に名前が付きました。これで、数式や入力規則などで使えるようになりました。

 

設定した名前の管理は
「数式」タブ→「定義された名前」グループ→「名前の管理」から行うことができます。

 

3. データの入力規則の設定

データを入力するセルに規則を設定していきます。

「データの入力規則」は、セルに入力できる内容を制限する機能です。たとえば、特定のリストから選択できたり、数値の範囲を指定したり、日付や文字数に条件を設けることができます。これにより、入力ミスや不正なデータの混入を防ぎ、表の整合性を保つことができます。

また、エラーメッセージや入力時のヒントを表示することも可能で、複数人で使うファイルでも安心して運用できます。ドロップダウンリストを作る際にも、この機能が活用されます。

 

①入力規則を設定したいセル【D4:D9】を選択。

②「データ」タブ→「データツール」グループ→「データの入力規則」をクリックします。

③「設定」タブでルールを指定します。

④「入力値の種類」から「リスト」を選択。

⑤「元の値」欄に、定義済みの名前『=商品コード』を指定。

⑥「OK」をクリックします。

 

⑦以上で、設定は完了です。選択したセルにはドロップダウンリストが表示され、あらかじめ指定した選択肢の中からのみ入力できるようになります。

 

商品コードが入力されると、対応する商品名や単価、そして金額までが自動的に表示されるようにしておけば、あとは数量を入力するだけで、必要なデータがすべて揃います。手入力によるミスを防げるだけでなく、作業時間の短縮にもつながり、業務の効率化に大きく貢献します。

特に、複数の商品を扱う見積書や請求書の作成では、こうした仕組みがあると非常に便利です。商品情報の一元管理と連携によって、入力作業がシンプルになり、確認作業もスムーズになります。さらに、関数やVLOOKUP・XLOOKUPを活用すれば、データベースとの連動も可能になり、より柔軟で正確な帳票作成が実現できます。

4.商品コードの追加

商品コードを新たに追加すると、テーブルが自動的に拡張されるため、ドロップダウンリストにもその項目が即座に反映されます。これにより、リストの更新作業が不要になり、最新のリストが自動で反映されるため、入力ミスの防止にもつながります。

 

①「B1003 ノート(A3) 200」をリストに追加してみます。
テーブルが自動的に拡張され、追加した行もテーブルの一部として認識されました。これにより、名前の定義や入力規則に基づくリストにも新しい商品コードが反映され、他のシートでもすぐに選択できるようになります。

②ドロップダウンリストを開くと、追加した商品コードが自動でリストに追加されているのが確認できます。そのまま選択すれば入力することができます。

5.押さえておきたい注意点

このように、リストは簡単に追加できますが、便利な一方で気をつけたい点もあります。
たとえば、選択肢が多すぎて探しづらくなったり、似ている選択肢が多くあると入力ミスのリスクが再び高まったりします。また、大量の項目を含むドロップダウンリストは、ファイルサイズや処理速度に影響を与えることがあります。
項目数が多くなると、ドロップダウンリストでは扱いづらくなるため、別の入力方法への切り替えを検討することも大切です。

 

6. まとめ

これらの設定を取り入れることで、Excelでのデータ入力はぐっと快適になります。特に、名前の定義や入力規則を活用することで、作業の正確性が高まり、ミスの防止にもつながります。さらに、ドロップダウンリストを使えば、複数人で共有するファイルでも統一された入力が可能になり、業務の効率化にも効果的です。
最初は少し手間に感じるかもしれませんが、一度設定してしまえば、後の作業が驚くほどスムーズになります。リストの更新や範囲の変更にも柔軟に対応できるようになるので、日々の業務や資料作成のストレスも軽減されるはずです。

 

この記事の著者:野元 由紀

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