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2024/05/15

ノーコード・ローコードとは?

目次


  1. ノーコード・ローコードとは?
  2. ノーコード・ローコードの注目度高まっている理由は?
  3. ノーコード・ローコードのメリット・デメリットは?
  4. Excelスキルはあったほうがよい
  5. まとめ

ここ最近よく『ノーコード』『ローコード』という言葉をよく聞くようになりましたね。

アプリケーション開発において、新たな手法として広まっているのが「ノーコード」や「ローコード」と呼ばれている開発手法です。

Webサービスやアプリの開発を行うことができるIT人材の不足は、多くの企業にとってここ数年大きな課題となっています。

そんな問題を解決できる新しい技術として、「ノーコード」「ローコード」が今大変注目されています。

この記事では『ノーコード・ローコード』についてご紹介していきます。

 

1.ノーコード・ローコードとは?

ではノーコード・ローコードとはどのようなものなのでしょうか?

ノーコード・ローコードに触れる前にそもそも「コード」とはなにか、ということを簡単にご説明します。

 

★コードとは… この「コード」という言葉は、コンピュータで処理する内容を記述した「ソースコード」を意味しています。ソースコードとはプログラミング言語で書かれたテキストファイルのことで、そのプログラムを動作させるための設計図ともいえるものになります。コンピュータはソースコードの処理手順に従って上から下へと順にプログラムを実行していきます。このソースコードを読むにはプログラミング言語や文法の知識が必要なので、初めて見る人やプログラミングの知識がない人にとっては理解が大変難しいものになります。

 

ノーコードは英語で「No Code」(=コードがない)、ローコードは「Low Code」(=コードが少ない)と書き、文字通り「ソースコードを書かない」「ソースコードを最小限に抑える」という意味になります。 そう、ノーコード・ローコードは「専門知識がなくてもソフトウェアを開発することができる」ということで大変注目を浴びている技術であり、プログラミングの専門知識を持つIT人材を必要とせずにアプリケーションの開発を容易にする手法なのです。 近年、DX推進の需要が高まっている中で、コーディングの簡素化や工数削減のため、ひいては人件費削減のためのツールとして大変注目されています。

 

 

もう少し両者の違いを詳しく見てみましょう。

 

<ノーコード>

ノーコードは、ソースコードが一切不要なアプリケーション開発手法です。

ソースコードのコーディングを行わず、プログラミングに関する専門知識が無くても開発を行うことが可能となります。ツールは最初からテンプレートや機能が決まっているため、小規模なアプリケーションや単純な機能のアプリケーション開発に向いています。ノーコード開発ツールの機能はプラットフォームに用意されたものの中からしか選択できないため、ローコードよりも自由度は高くありません。代表的な開発ツールとしてサイボウズ社の「Kintone」やラクス社の「楽楽精算」があります。

 

<ローコード>

ローコードは、少ないソースコードで開発ができる手法です。

必要最低限のコーディングで開発をすることができます。ソースコードの記述が可能な分、カスタマイズ性も高く複雑なアプリケーションの開発に適しています。ノーコードよりも幅広く活用でき、柔軟な機能拡張も可能です。ノーコードでは機能に一部制限がある一方で、ローコードであれば要望に合わせて機能を実装することができます。代表的な開発ツールとしてMicrosoft社の「Microsoft PowerApps」があります。

 

 

2.ノーコード・ローコードの注目度高まっている理由は?

ノーコードとローコードは大変注目されている開発手法ですよ、と前述しましたが改めて注目度が高まっている理由として大きく2つ挙げられます。

 

①近年のDX推進

日本企業はIT関連を中心に、社内のIT人材不足が大きな問題となっています。

ノーコード・ローコードでシステム開発ができれば、社内の情報システム部門だけではなく、業務部門や経理部門といった非エンジニアによるシステム開発が可能であり、業務内容に応じて柔軟に対応できるようになります。

また、社内DXを推進していくためには、柔軟かつスピーディーなシステム変更・開発が必要です。 ノーコード・ローコード開発であれば、アプリケーションやシステムの開発・運用までを短期間で行えるため、社内DXの推進が加速していきます。

 

②IT人材不足への対応と内製化

①でもお伝えしたように、日本の多くの企業ではIT人材の不足が課題となっており、企業のシステム開発推進を妨げています。そのため、非エンジニアの社員でも使いやすく簡単にシステム開発を進められるノーコード・ローコードは大注目を集めています。

特に日本の企業においては経済産業省が2021年に発表した『我が国におけるIT人材の動向』によると、IT人材がIT企業に勤める割合が高く、IT業界以外にIT人材が少ない状況にあると発表されています。

IT人材がいない企業はシステム開発業務を外注せざるを得ない状況で、ますますシステム開発が滞ってしまうという悪循環に陥ってしまっています。その対策としてノーコード・ローコード開発ツールを活用し、システム開発を自社内で行う企業が増えてきたことも大注目の理由の1つです。

 

 

3.ノーコード・ローコードのメリット・デメリットは?

ここまで見てくるとノーコード・ローコードによるシステム開発は良いことづくめのような印象ですね。ただ自社の環境や業務内容とノーコード・ローコードツールの特徴や仕様を照らし合わせて選び取る必要がありそうです。

 

<メリット>

①誰でも開発ができる

ノーコード・ローコード開発ツールでは、テキストの代わりにビジュアルブロックを使うものが主流となっています。ブロックを並べてプログラムを組んだり、画面をブロックの組み合わせで設計したりすることができ、ブロックを直感的に動かしながらプログラムを作れるので誰でも開発に携われるようになっています。ノーコードはその名の通り、プログラミング言語のスキルを持たない非エンジニアの方でもツールを活用することで業務に必要なシステムを手軽に作成できます。

 

②開発期間の短縮

コードをゼロから書かなくてよいため、開発期間が大幅に短縮できます。また、システム開発業務を外注することなく、自社での作成が可能なため、作業工程が大幅に減ります。コスト削減にもつながるのも大きな魅力の1つです。ただし、システムの仕様などはあらかじめしっかりと策定しておく必要があります。

 

③業務フローの変化に対応しやすい

昨今はDX推進やITの進化などで、業務フローの改善や効率化を常に追い求めていかなければなりません。そのような状況下において、システムの機能や仕様の変更をしなければならないことが多々出てくるかと思います。そのような場合でも、ノーコード・ローコードならコーディングをやり直すことなどなく、仕様変更が可能です。日々開発される新技術をいち早く取り入れていくことで、機能の強化や拡張も容易に行えます。

 

④開発するシステムやプログラムの品質を一定に保ちやすい

従来の開発手法ではコードをすべて人が記述しないといけませんでした。そうするとどうしてもプログラミングのミスが発生しやすく、これがバグとなってシステムなどの品質を低下が起こります。しかしノーコード ローコードでは、コードの大部分が自動で生成されるため、人為的なミスを低減させることが可能となります。 またバグを減らすことができれば、セキュリティ上のリスクの抑制にもつながります。

 

<デメリット>

①大規模で複雑なシステム開発には向いていない

ノーコードの開発ツールはあらかじめ用意された機能でしか対応できない場合が多いため、大規模で複雑なシステムや機能は実現できないことが多くあります。機能面での自由度や拡張性が低いのがデメリットです。 ローコードに関しても同様に機能の拡張・変更を柔軟に行うことができません。 ただし、ローコードは他のソフトウェア・システムと連携できる機能が最初から搭載されている場合があります。連携機能を利用してコーディングを行えば、社内利用の既存システムと連携するシステムの構築が可能です。

 

②ある程度のITスキルを持つ人材が必要になる場合もある

ローコード開発はコーディングが一切不要ということではなく、プログラムの追加・修正のためコードを書く場面が少なからずあります。それによりある程度のスキルを持つ人材の確保が必要です。

 

 

4. Excelスキルはあったほうがよい

お客様から「ノーコード開発ツールを使っているのでExcelの考え方を学んでおきたい」というご要望が上がったことがありました。

それほどまでにExcelスキルはノーコード・ローコード開発には重要になります。

これまでExcel VBAなどで組んでいたフォームなども、ノーコードで開発すればVBAの知識がなくてもプログラムを作成することはできます。

ただしExcelの数式や関数に慣れていたほうが思い通りの計算・集計のプログラムを作ることができます。

また開発ツールによってはExcelの関数のような数式を400以上提供しており、その数式によってデータの変形や計算、検索を行うことができるものもあります。

また別の開発ツールはExcelを使うような操作性で、業務プログラムを作成できるものもあります。

今までExcelでデータを管理し手動で行っていた作業も開発ツールで自動化させる…なんてこともできるツールもあります。

Excelスキルさえあればすぐに扱えるようになるツールも多いので、Excelスキルはぜひ身に付けておきましょう。

5.まとめ

このノーコード・ローコードは、DXを推進するための手段としても大きな期待が寄せられています。

まずは自社が解決したい課題、どのようなシステムを開発したいのかなどを明確にしていきましょう。

ノーコード・ ローコード開発ツールはメーカーによって特徴や価格も違いますので、自社に合ったものを選び取ることがDX推進の鍵ですね。

同時にExcelスキルもぜひ磨いていきましょう。

東京パソコンアカデミーの教室でお待ちしております。

 

 

この記事の著者:矢澤 美和

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