目次
「転職」は私たちの人生における大きな転換点の一つです。
転職活動中には、新たな仕事への期待と同時に不安を感じる方も多くいるでしょう。
多くの場合新たな雇用先を見つけるまでには最短でも1か月前後を要します。
応募前の準備期間も含めて、計画的に着実に一つ一つステップを進めていけば希望の転職は必ず叶います。
今回は転職活動を計画的にかつ可能な限り短期間で行うための戦略についてお話しいたします。
まずは転職活動における重要なポイントを3つお話しします。
ポイント1:転職活動の流れは以下の「6ステップ」で進めていくのが一般的です。
ポイント2:無収入の期間をできるだけ短くするために、転職活動は早い時期に開始することがとても重要です。
可能であれば現職に在職したままで転職先を探すのがベストでしょう。
ポイント3:同時に複数の求人に応募することで待ち時間を最小限にすることも重要です。
ポイント1:転職活動の6ステップ
次に「転職活動の6ステップ」についてお話しします。
ステップ1 自己分析と目標(就業希望条件)設定
まず最初に自己分析を行います。自身が次の仕事で活かせるスキルや資格、働く上で大切にしている価値観などを洗い出します。
また「転職先に求める条件」も明確にします。例えば業界、職種、就業を希望するエリア、就業時間、賃金額、そして仕事内容などです。
必要な期間は人それぞれで2~3日で完了できる人もいれば数週間を要する人もいます。
ステップ2 市場調査と情報収集
就職支援施設(職業訓練校やハローワーク)やWebを活用して自分が目指す職種や業界についての情報を収集しましょう。
また同時に自分のスキルや取得資格が転職市場ではどのような価値を持つのか、どのように活かせるのかを探りましょう。
目指す職種や業界が求める資格がある場合は、その資格を先に取得するということも一つの手段です。
ステップ3 応募書類の作成
履歴書と職務経歴書をパソコンで作成します。就職支援施設(職業訓練校やハローワーク)は応募書類の作成ノウハウを
持っていますので相談し活用しましょう。写真のデジタルデータも忘れずに準備しましょう。
作成を進めながら1で洗い出した自分のスキルや価値観を面接時に口頭で伝えられるように準備をしましょう。
面接が苦手な人はある程度セリフを考えておくと良いでしょう。
ステップ4 求人の絞り込みと応募活動
希望する求人へ応募を開始します。一度に複数社へ応募することで内定獲得のチャンスを増やし待ち時間を最小限にします。
ステップ5 面接と選考
面接では1で洗い出した自己PR、2で実施した情報収集の成果、そして3で準備した面接対策の成果が問われます。
前向きで意欲的な態度で臨みましょう。
ステップ6 比較と決定 複数社から内定が重なった場合は、それぞれの求人内容の長所と短所を比較し最適な転職先を選択しましょう(企業理念、
業務内容、通勤時間、給与、成長の可能性など)。迷う場合は、他社へ応募中であることを内定先に伝えて決まった期日まで
待ってもらうことも考えましょう。ただしその場合は内定取り消しの可能性もありますので慎重に判断しましょう。
この全6ステップは1.5か月から半年以上かかる可能性があります。繰り返しとなりますが転職を決めたらすぐに就職活動を開始しましょう。
ポイント2:早期に就職活動を開始するメリット
では次に早期に就職活動を開始することのメリットについてお話しします。
転職活動は早期に実行に移すことで無収入の期間を最小限に抑えることができます。また可能であれば既存の職務を
続けながら転職活動を行うと良いでしょう。そうすることで金銭的な問題を減らすことができ転職活動に専念できます。
次の事例は早期に活動を開始したことで、新しい仕事を探す間も収入を保つことができたケースです。その結果、金銭的な
ストレスを感じることなく転職活動に専念することが可能でした。
例:Aさん(37歳・女性)
Aさんは営業兼マーケティング担当として中小企業に勤務していましたが、キャリアアップのため大手企業への転職を
考えるようになりました。Aさんは転職活動の過程が思った以上に時間を要することを知人から聞いて知っていたため、
現職を退職する前に次の仕事を見つけようと考えました。Aさんは自分の市場価値、希望する職務内容、希望する企業の
種類と規模を洗い出し、該当する業界や企業の情報を事前に収集し研究しました。
次にAさんは転職サイトや転職エージェント、就職説明会等イベントを活用し、まずは自分の経歴とスキルを各所に登録・公開しました。
その後の2ヶ月間でAさんは大手企業3社からオファーを受け取ることができました。このように、Aさんの計画的なアプローチにより
希望する業界での転職が叶い、またこの間は常に安定した収入を得ることができたため経済的にも精神的にも安定した状態で転職活動に
臨むことができました。
ポイント3:マルチ応募のメリットと注意点
マルチ応募、つまり1社だけでなく複数の企業に同時に応募するという戦略は、転職活動における重要な要素の一つです。
応募した1社からの返事を最後まで待ってから次の2社目へ応募したのでは、内定が出るまでに時間がかかってしまうからです。
同時に複数の求人に応募することは「転職活動期間の短縮」に高い効果を発揮します。またマルチ応募のもう一つのメリットはその
「選択肢」にあります。各企業の内定が揃うことで、比較を行い自分にとって最善の選択をすることが可能になります。
しかし注意点としては、求人に応募するための書類作成、面接の準備といったタスクが応募した求人の分だけ増え、作業が煩雑に
なってしまうことが挙げられます。混乱を避けるために、応募先をリスト化しどこまで選考が進んだかなどの状況を追記していくと
良いでしょう。これによりどの企業とはどの段階まで選考が進んでいるのか、また次に何をすべきかがひと目で分かるようになります。
また応募書類は必ず写しを取って手元にも残すようにし、いつでも内容確認ができるようにしておきましょう。
またマルチ応募は、複数社から同時に内定が出る可能性も高まります。冒頭のステップ⑥を参考に、また就職支援機関の助けを借りる
などして最適な転職先を見つけられるようにしましょう。
次に挙げる事例ではBさんが複数の企業に応募したことで約2ヶ月で転職が叶い、しかもその途中で応募先の可能性(企業規模)を
広げたことで、結果的には最も自分に適した仕事を見つけることができたケースです。
例:Bさん(32歳・男性)
Bさんは小規模な会計事務所で約10年働いていましたが、より大きなチームでより広範囲な経験を積みたいと考え転職を決めました。
Bさんは自身のスキルと経験を活かせる大手企業への就職を最終的な目標とはしましたが、就職支援機関より「1社に的を絞っていては
内定獲得までに時間がかかる」と聞いたため大手だけでなく中小企業も含めた複数の企業に応募することにしました。
そこでBさんは、10社以上の異なる経営規模の会計事務所と大企業の会計部門に応募しました。応募の過程でBさんはそれぞれの企業に
合わせて履歴書や職務経歴書を作り替え、自身のスキルが企業側の求めるスキルと一致するよう努めました。マルチ応募の結果、同時に
複数社から面接の連絡がありそれぞれの面接に対して出来る限りの対策を練り面接に臨みました。
最終的にBさんは2社から内定を得ることができました。1社は大手企業でしたがもう1社は中堅企業で、2社との事前面談を経たことで
自分が希望する規模感での業務内容であることがわかり、最終的には中堅企業への就業を納得の上で決めました。
もしBさんが1社だけに応募していたら約2カ月で、かつこのような選択の機会は得られなかったでしょう。
転職活動は容易な道のりはありません。しかし早めの活動開始と計画的な転職活動により、成功へと導くことが可能です。
早期から転職活動を始めることで無収入の期間を最小限に抑えることができます。また複数の求人に応募することで転職活動期間を
短くすることができ、かつ多様な選択肢も得られ自分に最も適した仕事を見つけることが可能となります。転職活動の労力は確実に
自身の成長へと繋がります。
今回のコラムを転職活動の参考にしていただけますと幸いです。
最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。
この記事の著者:吉田 友子
東京パソコンアカデミーで開講している各種職業訓練では就職支援を実施しています。
職業訓練紹介ページ https://tpa1986.kohgakusha.com/training/
Copyright © 2019 by KOHGAKUSHA Co. Ltd All rights reserved.