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就職
2024/02/15

就職・転職活動に向けて: 心配しなくて大丈夫なこと

私たち東京パソコンアカデミーでは職業訓練を行っています。

そこでパソコンスキルの他、就職活動に向ける時間を担当する中で私がテーマにしているのが 「笑顔の就職活動」です。

担当してきました前回までの3回にわたり、面接全体への準備や志望動機についてなどをお伝えしてきました。

今回も面接について授業でお伝えしている内容から、「心配しなくても大丈夫」な事について記しておきたいと思います。

 

かつての「面接でよくある質問」といった項目に挙がっていたものにも、多様性の尊重や公正な採用選考に配慮する社会全体での取り組みにより変わってきています。

授業では配布するプリントの補足訂正として「現在では・・・」と口頭によりご説明。

さらに「就職差別」につながる項目に含まれる内容について、クラス全体にお伝えしています。

相談できず一人で思い悩む方がいらっしゃるかもしれない、という思いからです。

 

実際のところどうなのか・・・と言いますと、まだまだ「どこの企業の誰もが知っている採用側の常識」とまでは浸透していない所もありそうです。

なぜそう思うのか。それは、訓練生がご自身の面接経験を私にお話しくださる中に現実を知ることがあるからです。ですが、世の中は今このように取り組んでいる!

本来の面接のあるべき形・あり方はこうなのだ!ということを知って相談できずにいる方々に少しでも安心を手に入れていただきたい。

そして、堂々と面接に出掛けて行かれますように・・・と願って記したいと思います。

 

目次


  1. 採用選考の基本的な考え方について
  2. 就職差別につながる14事項
  3. 変化してきている履歴書様式について

 

 

今回は、厚生労働省の文書を出典元として記します。

「だから心配しなくても大丈夫」という所に繋がるような

“人には知られたくない「面接質問」への悩み事”を安心に変えていただけると嬉しいです。

 

1. 採用選考の基本的な考え方について

厚生労働省から「公正な採用選考」に向けてさまざまな資料が発行されています。

その多くには、文書の初めに「採用選考の基本的な考え方」について記されています。

 

採用選考は、

· 「人を人として見る」人間尊重の精神、すなわち、応募者の基本的人権を尊重すること

· 応募者の適性・能力に基づいた基準により行うこと

の2点を基本的な考え方として実施することが大切です。

 

引用:厚生労働省”令和5年度版 事業主の皆様へ 公正な採用選考を目指して 3ページ” 01.pdf (mhlw.go.jp)

 

 

この「基本的な考え方」を根っことして、その上に様々な具体的項目が枝葉を茂らせるように資料が存在します。

こちらに基づいて選考活動が行われているかどうか。

考え方・実施される内容や方法など具体的な内容がココに照らしてどうか。

資料にはその事柄の詳細も載せられていますが、以下5点、その見出し部分だけでも

ピックアップしておきたいと思います。

 

応募者の基本的人権の尊重

適性・能力に基づいた採用選考

応募者に広く門戸を開く

適性・能力に基づいた採用基準とする

適性・能力に関係のない事項の把握

 

引用:厚生労働省”令和5年度版 事業主の皆様へ 公正な採用選考を目指して 4ページ 01.pdf (mhlw.go.jp)

 

 

2. 就職差別につながる14事項

今回は特に、詳細な「就職差別につながる14事項」というものが掲げられていることを知っていただきたくてコラムのテーマにしました。そこには・・・

「本人に責任のない事」

「本来自由であるべきこと(思想・信条にかかわる事)」

「採用選考の方法」について

合計14事項が挙げられています。

説明の詳細を読むと、中には憲法:思想の自由や信教の自由、

男女雇用機会均等法に抵触する事なども記されています。

 

しっかりと読んでみると、ご自身が思い悩む所に対する内容が見つかるかもしれません。

ご相談へのお応えとして、こちらの内容を土台にすることもあります。

 

この14事項の記載から「だから大丈夫だよ」と聞こえて、人知れず思い悩んでいる方が少しでも安心を得られることを願っています。

以下、その14事項です。

 

①「本籍・出生地」に関すること

②「家族」に関すること(職業・続柄・健康・病歴・地位・学歴・収入・資産など)

③「住宅状況」に関すること(間取り・部屋数・住宅の種類・近隣の施設など)

④「生活環境・家庭環境など」に関すること 本来自由であるべき事項(思想・信条にかかわること)の把握

⑤「宗教」に関すること

⑥「支持政党」に関すること

⑦「人生観・生活信条など」に関すること

⑧「尊敬する人物」に関すること

⑨「思想」に関すること

⑩「労働組合(加入状況や活動歴など)」、「学生運動などの社会運動」に関すること

⑪「購読新聞・雑誌・愛読書など」に関すること 採用選考の方法

⑫「身元調査など」の実施

⑬「本人の適性・能力に関係ない事項を含んだ応募書類」の使用

⑭「合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断」の実施

 

引用:厚生労働省”令和5年度版 事業主の皆様へ 公正な採用選考を目指して 6ページ01.pdf (mhlw.go.jp)

 

 

面接以前に、作成する応募書類上から読み取られるのではないかとか、疑問が生まれるのではないか、

そこから面接時の質問事項にピックアップされるのではないかなど

心配が心配を膨らませていくこともあるかもしれません。

例えば、

・生い立ちに関わるような家族に触れられる質問をされたら・・・と心配

・ご自身の「生まれ」や「ルーツ」に関連する事柄を知られたくなくて心配する

また、もっと身近に

・「将来的には、長男だから・長女だから家業を継がなければ(継ごう)」と考えているとか。

それ以外にもご家族について質問が及んだ場合の心配事項

出生、家族、家庭、健康状態(病気)に関するお悩みは意外と身近に多いのかもしれません。

サイトでは具体的なNG質問例、男女雇用機会均等法に繋がる事やLGBTQについて記載されているものもあります。

 

気になる方は引用・出典元として載せているサイトの資料PDFページ:

01.pdf (mhlw.go.jp) 02.pdf (mhlw.go.jp)からご覧いただければと思います。

ご参考になることが記載されていると嬉しいですね。

 

3. 変化してきている履歴書様式について

一般財団法人日本規格協会から履歴書の様式例がJIS規格から削除したお知らせがあってから3年半ほどが経ちます。

そろそろ厚生労働省履歴書様式例を使用する求職者も増えて来ている様子を感じます。

変わった点は以下の2点

 

1.性別欄は任意記載で、未記載も可能になりました

2.通勤時間・扶養家族数(配偶者を除く)・配偶者・配偶者の扶養義務の項目が無くなりました  

そして、意外と知らなかったこともありました。写真欄についてです。

 

従来から写真は「必要がある場合」に貼付することとなっており、応募者に対して写真が必要であることを特に示していない場合には、貼付されていない場合もあります。

 

引用:厚生労働省”令和5年度版 事業主の皆様へ 公正な採用選考を目指して 24ページ pdf (mhlw.go.jp)

 

との記載です。

今は未だ、欄が設けられているのに写真が貼られていない・・・という受け止められ方がほとんどかと思います。

けれど新しい考え方や価値観が浸透し、世の中の動きがそれらに追いつく頃には

日本でも写真無しの履歴書は普通になるのかもしれません。

 

厚生労働省履歴書様式例は各ハローワークさんのサイトからもダウンロードができますが

せっかくココまでお読みくださった皆様に、神奈川ハローワークさんのリンクを貼っておきます。

ハローワーク横浜南 | 神奈川ハローワーク (mhlw.go.jp)

 

最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。

皆さまの よりよき就職・転職活動を祈っています。

 

この記事の著者:加島保世

 

【出典・引用】

厚生労働省  “構成採用選考特設サイト 公正な採用選考を目指して” |厚生労働省.

https://kouseisaiyou.mhlw.go.jp/basic.html (参照2024-01-19)

 

厚生労働省  “令和5年度版 事業主の皆様へ 公正な採用選考を目指して”|厚生労働省.

01.pdf (mhlw.go.jp) (参照2024-01-19)

 

厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク  “令和5年度版 事業主の皆様へ 採用選考自主点検資料~公正な採用選考を行うために~”  厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク.

02.pdf (mhlw.go.jp) (参照2024-01-19)

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